3.サ高住の入居率情報はどうなっているか

現在、サ高住の登録数は現在約20万戸です(2016年7月22日付)。

国が示す整備目標“今後10年で60万戸の供給”に対しては1/3が達成された計算です。2011年10月の制度開始から約5年が経過していることを踏まると、本来であれば30万戸の供給が期待されていたはずです。

サ高住の新規登録数は年々、減少しているのが現状です。要因は幾つか考えられ、主には建築費の高騰、介護スタッフの人材確保等が挙げられますが、「サ高住の運営の難しさ」が業界内外で浸透してきた事も理由のひとつとして考えられます。高稼働のサ高住が存在する一方で、集客に苦戦するホームは珍しくありません。昨年は四日市でサ高住事業者の倒産事例がニュースとなりましたが、同様のケースは水面下で相当数あるのではないでしょうか。

 

国はこうした現状を踏まえてか、今年より整備費補助の増額を行うことで供給数の確保を進めたい意向です。制度開始時のような補助金特需がどこまで功を奏すか、疑問を感じます。

 

サ高住の入居状況については、これまで行政主導による公開情報が無く、SOMPOケアネクスト(旧メッセージ)のように事業者の自主的な情報開示に頼らざるを得ないのが現状でした。

ところが、近年、有料老人ホームに該当するサ高住は有料老人ホームと同等の重要事項説明書の書式を使用することに変更されました。有料老人ホームで使用する重要事項説明書には入居者数だけでなくスタッフの配置数等の詳細情報が掲載されており、東京都をはじめ多くの自治体がホームページ上で公開をしています。

前述の基準に従うと、現在のサ高住のほとんどが有料老人ホームに該当すると考えられます。従って、これらは新たな重要事項説明書の仕様に従い、ホームの詳細情報が公開されるはずです(例えば、東京都は事業者に対して新たな重要事項説明書を今月末までに提出するよう指導)。

 

長らく実態が掴めなかったサ高住の実入居者数が公開されるインパクトは大きいでしょう。事業者にとっては集客への影響を懸念する声がありますが、入居者にとっては入居検討の情報として多いに役立ちます。業界全体にとってもサ高住の実態が数値化されることは、今後、本制度を議論する上でのタタキ台になるのではないでしょうか。