7.タバコを吸いたい。仏壇で線香も焚きたい。

私はホームを内覧するときに、必ず「室内でタバコが吸えるか」を聞きます。

要介護者向けの有料老人ホームの場合はほとんどがNGで(自立型ホームはOK)、例えば線香ですら火事の原因になるからと、LED式の線香を進められるケースが多いのが現状です。介護の現場経験が長い方ほど「施設でタバコなんて(あり得ない)」という拒否反応を示されるケースが多いように感じます。一方、サ高住の場合は一般住宅に近い仕様から居室ルールも比較的緩やかなケースが多く、喫煙OKとするホームは少なくありません。共用の喫煙ルームが設置されている場合もあります。

確かに火の管理は、火災リスクを踏まえると非常にナイーブです。過去には実際に老人ホームでタバコを火の元とする火災も起こっています。ホームの運営方針、もっと言うと事業者の腹の括りようが問われる問題でしょう。

 

自分はタバコを吸わないという問題ではなく(私は非喫煙者)、一般的な嗜好品がホームで認められるかどうか(自身の生活習慣や希望をどこまで尊重してくれるか)を知りたいのです。もちろん火災のリスクと秤にかけた時、共同生活を送る以上、一定の禁止事項は避けられないのは分かっています。では、その場合に入居者のこれまでの生活習慣や希望をどのように尊重してくれるのでしょうか。

認知症の方でも喫煙習慣の人は当然います。昔の生活習慣は継続して忘れにくく、食後の一服を楽しむ方もいらっしゃします(「異食」といってタバコを食べる事故も想定されるので注意が必要)。

 

では、火に関連して「線香」はどうでしょう。ホームに仏壇を持参する入居者は多いです。線香の煙で煙感知器が反応する事はありませんが、火種が残った線香が他の線香に燃え移り、結果、火種が大きくなるケースは想定されます。但し、今は火事防止のために1本ずつ立てて使う専用台座や、線香の長さが短いもの等、多様な種類が売られています。一般住宅でも、線香の匂いが壁紙に着くのを懸念して「匂いが出ないお香」もあるようです(もはや、お香を焚く意味が分かりません)。

 

タバコも線香も一律のルールで生活習慣を制限するのではなく、入居者の生活暦や希望を受け入れながら、個別に検討してくれるかどうか。ケアマネジャー、計画作成者の手腕が問われるところです。世の中のサ高住がどれも平均化されてきて、ハード、利用料ともに他社との差別化が難しくなっています。運用面で独自色を打ち出せる、差別化が図れるかどうかが重要になってくるでしょう。