11.新オレンジプランについて

厚生労働省が掲げる認知症対策として、認知症施策推進5か年計画が挙げられます。いわゆる「オレンジプラン」と言われるものです。

本計画は、今後の認知症施策の方向性について示された基本目標実現のために、7つの視点に沿って2013年から2017年の取り組みが規定されており、昨年に改定されたばかりです。新プランでは、「認知症の人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で自分らしく暮らし続けることができる社会の実現を目指す」ことを基本的な考え方に据え、次のような改訂の柱を掲げています。

 ①認知症の容体に応じた適時・適切な医療・介護などの提供

 ②若年性認知症施策の強化

 ③認知症の予防法、診断法、治療法等の研究開発と、その成果の普及の推進

 ④認知症の人の介護者への支援。

 

また、新プランでは体制整備の目標値が引き上げられています。例えば「認知症初期集中支援チーム」については、旧プランで「15年度以降の制度化を検討」とされていたものが新プランでは「18年度から全市町村で実施」と変更。このほか、認知症地域支援推進員については、14年度に217市町村で実施されていたものが、新プランでは「18年度に全市町村で実施する」という目標値が掲げられました。

③の「予防法、診断法、治療法、リハビリテーションモデル」の研究は、新プランで新たに盛り込まれた項目で、具体的な取り組みは次のとおりです。

 ・高品質・高効率なコホートを全国に展開するための研究などを推進する

 ・認知症の人が容易に研究に参加登録できるような仕組みを構築する

 ・ロボット技術やICT技術を活用した機器などの開発支援・普及促進を行う

 ・ビッグデータを活用して地域全体で認知症予防に取り組むスキームを開発する

 

④の「介護者への支援」としては「認知症カフェ」の設置が謳われています。家族が抱え込みがちな苦労を吐露・共有することで、精神的な負担軽減を狙ったものです。

このように、新プランの考え方は地域包括ケアシステムの理念を踏襲し、住み慣れた地域で認知症高齢者が生活を継続できることが全体のテーマとして貫かれています。但し、全市町村に一律に課される整備目標に対して、自治体の体力によってサービスの地域差が生じる事が懸念されます。