18.通常規模/終日型デイに未来はあるか?(1)

度重なる介護報酬の減額、お泊りデイの規制、地域密着型への再編、予防給付の切り捨てと近年のデイサービスを取り巻く環境は目覚ましく変化しています。

次年度の介護保険法改正では地域密着型デイの総量規制が導入されることで開発事業者には大きな痛手となりそうです。

 

ところで、数年前より小規模デイ=半日型のリハビリデイが急増しています。利用者の介護予防に対する強いニーズもさることながら、運営事業者にとっては一旦、ビジネスモデルを作れば、場所を選ばない汎用性の高い事業として注目されてきました。近年、これらリハビリデイ同士の顧客の奪い合いが進み、撤退事例も珍しくありません。

 

一方、従来の通常規模/終日型デイの場合は、入浴及び厨房設備のために相応の広さが必要となるため、新築以外で既存建物のテナントで事業を行うとすると物件選びに非常に苦労します。都心での通常規模/終日型デイの新設が鈍化しているのはこうした都市部ならではの土地・建物条件も影響しています。こうした競合が増えない現状は、既存施設にとって集客の追い風となりそうですが、必ずしもそうとは言えません。

 

平成27年4月から導入された介護予防・日常生活支援総合事業では、地方自治体が主体となって予防事業や地域高齢者の交流事業を進めています。中でも、地域の老人会やNPO法人、民生委員等が運営主体となる地域交流事業の活動は自治体・地域によってその内容は様々です。

 

ある地方の交流事業では週1回、地域の独居高齢者が集うサロンを開催。デイサービスで行われている手芸レクやカラオケのほか、健康体操を実施して好評を得ています。

興味深いのは、参加者の中に介護保険のデイサービスを利用している高齢者が混在している点です。

デイのソフトコンテンツが書籍やネット等の様々な媒体で身近に溢れた事や介護従事者のOB達の存在、配食等の訪問サービスの増加により、リハビリ等の専門特化されたサービスを除けばデイサービスに近しい内容は、何となく自前で供給できる時代となりました。

このように、通常規模/終日型デイは、自らの存在意義を見出していかないと、地域のボランティアサロンに潜在顧客を奪われかねないと言えます。

 

もちろん、「多様なサービス」と称して予防対象者のサービスを市町村主体、地域ボランティア主体に移行させたいのが国の意向です。少しづつ、地域のボランティアや団体が研鑽を積んで、地域活動の主体となるのは悪い事ではないかもしれません。